体験談

カレッジ体験談

移民の街だからこそ経験できた多文化なカレッジ生活

Wakana さん

学校名

Centennial College

通学期間

2010年 ~ 2011年

コース名

International Business Management (Post-graduate)

※弊社カウンセラーWakanaの体験談です。

カナダに来た時には、ワーキングホリデーの1年間が終了したら日本へ帰る予定でした。
ところが、渡航から8カ月程経った頃から、このまま日本へ戻っても、英語は中途半端だし、結局同じような仕事に就いて、同じような生活に戻っていくだけなんだな、それって、この1年近くが無駄みたいに思えるな、と漠然と考えるようになりました。

カナダ到着後は3カ月程語学学校のESL+ビジネスコミュニケーションを受講し、その後はアルバイトを掛け持ちしたり、できるだけ日本人以外の友達やと出かけたり、英語を使う機会はそれなりにあったのですが、どうしても日常英会話止まりでした。

そこで、滞在期間を延ばし、仕事をしながら勉強もできる方法はないかと、当時人気になりつつあった『Study & Workプログラム』(Co-opプログラム)についてエージェントへ聞きに行きました。ところが、今のようにプログラムの選択肢があまりなく、“ESLを受講した後に仕事もできる”という程度の内容だったため、またESLを受講するのに数千ドルも支払うのはもったいないという結論に至りました。

その際、費用はかかるが、“公立カレッジへ進学する”道もある、という事を知ったのです。1年間(2セメスター)受講で8カ月~1年間の就労許可(Post Graduate Work Permit)が申請できる、というのも魅力でした。2年以上のプログラムを取れば3年間の就労許可が出るとも聞きましたが、さすがに資金が足りなかったため断念しました。

カレッジ進学プログラム受講にはさらに費用がかかるため、とりあえずはTOEFLのスコア取得を目指して独学を開始しました。と言っても、参考書を何となくダラダラやっただけで、結果は惨憺たるものでした。ワーキングホリデーの期限が切れるギリギリ前に、語学学校に通学する事で学生ビザ(Study Permit)を取得して、カレッジ進学の機会を待つ事になったのです。

この時すでに5月。私は1年間のプログラム受講しか考えていなかったため、9月から入学できるプログラムは限られていました。ちょうど興味のあったCentennial CollegeのInternational Business Management(Postgraduate)がまだ定員に達していなかったので、急いで申し込みを行い、イチかバチか、カレッジのアドミッションテストに挑戦する事になったのです。6月にテストを受けた時点で、TOEFLプログラムを受講していてテスト慣れしていた事もあり、見事合格する事ができました! 当時は時間無制限のリスニングとリーディングのテストだけで、どちらかと言うと得意なスキルだったのも幸いしました。(今はライティングもあるようです…。)

 

カレッジが始まってからは、新たな苦労の始まりでした。
留学したての頃に比べれば英語力は上がっていましたが、それは日常生活でどうにかなる程度。クラスメイトの70%近くはインドからの留学生で、幼い頃から英語を公用語として使ってきた人ばかり。私の英語なんて拙くてどうにも太刀打ちできないという事を実感しました。Postgraduateプログラムだった事もあり、ほとんどのクラスメートが自国で社会人だった人や大学を卒業してきた人でした。クラスではよくディスカッションが行われ、とてもついていけませんでした。何が辛かったって、インド人の訛りの強い英語です。多勢に無勢、もう慣れるしかありませんでした。悔やんでも仕方が無いですが、カレッジ進学プログラムや付属ESLで、アカデミック英語のスキルを学んでいればもっと楽だったのかな、と思います。

日本人はクラスに私一人しかおらずかなり目立っていたようで、みんな興味を持って話しかけてくれたので、友達作りには苦労しませんでした。ただ、どのコースの教授からも、「日本ではどう?」「日本ってこういう感じだよね?」といった質問を受ける羽目になり、大した返答もできずに悔しい思いをする事がしょっちゅうでした。反省点は、カレッジが始まる前に、日本の政治や経済について、英語で説明できるよう下準備をしておくべきだった、という事に尽きます。

 

幸い、ライティングは得意なほうだったので、グループワークのレポートでは重要な部分や最後の見直しを引き受けたり、英語力が低くても可能なリサーチは徹底して行ったり、グループのミーティングには遅れず顔を出したり、できない部分を自分ができる事で補う努力を続けました。そのせいか、グループワークのチーム分けでも嫌われる事なく、一緒にやろう!と誘ってくれるクラスメイトも沢山できました。ESLでも感じていた事ですが、スピーキングが得意な人が、ライティングも上手にできるわけではないんですよね。逆に、「あんたライティングできるのに、何で喋れないの?」って尋ねられていました(笑)。

チームで課題をやり遂げるには、チームの中で誰が何をできるかを考え、どう役割分担をすれば効率よく進められるか、一人ひとりに平等に仕事が分けられてるか、分担がうまく行っていないならどう軌道修正していくか、怠け癖のあるチームメイトにどう注意するか、課題そのものの内容よりも、その過程で多くの事を学べた気がします。クラスメイトはインド人の他、メキシコ人や中国人、ベネズエラ人、パキスタン人、フランス人、カナダ人、世界各地から集まった学生ばかり。背景も考え方も異なるクラスメートと課題をこなしていくのは、新鮮な驚きだけでなく、苦労の連続でもありました。今となっては貴重な経験だったと思います。誰のサイドにいれば安定して良い成績が取れるか、政治的な駆け引きも学べました(笑)。

 

International Business Managementプログラムは、マーケティングやアカウンティングといった何かを専門的に学ぶものではなく、International managementやImport/Export、Project Management、Entrepreneurship、Logistics、Financeといった様々なコースを少しずつ学ぶという、正直に言うと、広く浅い内容でした。日本で社会人経験があった私にとっては、常識の範囲内で理解できるプログラムであったため、英語力がそれほど高くなくてもついていく事ができ、それなりに快適なカレッジ生活を送れました。年齢層が高い社会人クラスであった事も、すでに30代になっていた私にとっては居心地の良い理由だったのかもしれません。

とは言え、決して楽をしていたわけではありません。ほぼ毎日ミニテストがあり、レポート提出も週に3、4回、プレゼンテーションも週に2回はあり、1つが終わればすぐに次の課題の準備、一度にいくつも課題を抱えている状態が毎日続きました。課題が特に多い週には、毎日夜中まで起きて作業をするという事もありました。課題は個人で行うものもあれば、グループで行うものもあり、自分の課題は完璧にやりたいけれど、グループワークでもチームメイトに迷惑をかけられない、そのバランスを上手に取っていくのも、社会人として仕事を遂行していく上では重要な事なので、今となっては非常に良い経験になったと思います。

 

無事に卒業が確定し、90日以内にPost Graduate Work Permitの申請を行うまでに、インターンシップを行うことになりました。インターンシップ先は、バスルームやキッチンのインテリアやタイルをイタリアから輸入して販売する会社で、マーケターの下についてお手伝いをするというものでした。わりと無茶ぶりをされていたのですが、一生懸命やっていたのを認められ、しばらく経って有給インターンシップに変えてもらう事ができました。しかし生活費を稼げるレベルではなかったため、当時は週4日はインターンシップ、週3日はカフェでアルバイト、という出ずっぱりの毎日を送っていました。(今では考えられません!)

卒業してからしばらくはまともな就職活動を行っていなかったのですが、カナダの会社へ就職したり、さらに大学へ進んだりしたカレッジのクラスメイトから、「せっかく高い費用を払ってカレッジに行ったのに何をしているんだ」と叱咤激励され、Work Permitの期限が残り6カ月程になった時点でようやく動き出しました。これは自分のせいですが、やはり期限が短い事が災いし(もちろんそれだけではないと思いますが)、なかなか就職先が決まりませんでした。

そんな時に出逢ったのが、留学エージェントのカウンセラーという今の仕事です。元々、渡航したばかりの生徒さんのガイドとしてお手伝いをしていたご縁で誘っていただいたのですが、ちょっと人見知りなところがあるので、自分に務まるかどうか心配していました。ところが、自分自身がトロントへ渡航してから経験した全ての出来事を活かして、トロントへやって来て不安でいっぱいの新渡航者や、留学の途中で道に迷ってしまった留学生、仕事が見つからず困っているワーキングホリデーメーカー、一人ひとりの状況に応じてアドバイスができる自分がいて、驚くと同時に、素晴らしい仕事に出逢えた!と思いました。

元クラスメート達は、主にロジスティックスや輸出入関連業界で、マネージャーやマーケターとして活躍しています。自国にもどり、海外の会社と自国の会社を繋ぐ仲介の仕事をしている人や、カナダ政府関連部署のアドバイザーになった卒業生もいます。Centennial CollegeのInternational Business Managementは“広く浅い”プログラムではありましたが、逆に言えば、どんな業界にも職種にも応用できる、社会人経験者にはお勧めのプログラムだと思います。

かなり長く語ってしまいましたが、カレッジ進学までの過程やカレッジ通学、一つひとつの出来事を通じて、当たり前なようで中々実感できない真実を得る事ができました。目的があろうが無かろうが、気分が乗っていようが落ちていようが、一生懸命やって来た事はいつか活かせる時が来る、やってみて無駄な事は一つも無い、という真実です。当時はどうなる事かと思いましたが、三十路を過ぎてカナダでカレッジに進学し、無事に卒業までできた事は今の自信にも繋がっています。迷っている方がいらっしゃったら、とにかく挑戦してみてほしいと切に願います!

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