【北米知識】カナダへ留学するなら知っておきたい、リメンバランスデーとは?
投稿日:2020年10月26日(月)
10月後半から11月11日までカナダ中に咲く赤いポピーの正体は?!
Photo:CBC NEWS
10月にもなるとカナダはハロウィンムード一色になります。
しかし実は10月の最終週あたりから、ハロウィンと共にカナダの街々でみられる光景があるんです。
それは、赤いポピーのバッジを付けた人達。
子供も大人もお年寄りも。中には散歩中の犬たちの服になんて光景も目にすることがあります。
実はこの赤いポピーにはカナダの退役軍人や、現在の平和なカナダの暮らしの為に命を捧げた軍人たちへの敬意が込められています。
そして11月11日はリメンバランスデー(Remembrance Day)と呼ばれる、戦争で命を落とした軍人を追悼する日として制定されています。
今回はカナダ人がとても大切にしているリメンバランスデーについてご案内します。
■リメンバランスデーについて詳しく知ろう!
1918年11月11日に第一次世界大戦の休戦協定が結ばれたことから、11月11日がリメンバランスデーとして設定されました。
カナダだけでなく、イギリスやオーストラリアでもこの日をリメンバランスデーとしています。
アメリカも同日ですが、アメリカではベテランデー(Veteran Day)と呼ばれています。
この日はカナダの為に命を捧げた軍人を追悼し、また退役軍人にも敬意を示す日として各地で式典等が行われます。
カナダの多くの州でこの日を祝日として休日にしていますが、トロントのあるオンタリオ州やケベック州、ノバスコシア州では法的休日ではありません。
しかし銀行、政府機関は閉まり、カナダの郵便は配達されませんのでご注意下さい。
●全ての州でリメンバランスデーを祝日にすべきとの声
リメンバランスデーはカナダ全土で退役軍人や戦死した軍人達を思い、平和に思いを馳せる日です。
その為オンタリオ州のように、「この日を祝日にしないのはおかしいのではないか」という声も多くあります。
しかし反対に、「祝日にしてレジャーに出かけたり、ゲームをして過ごしたりなど休養の日にする意味はない。」
「会社や学校に行きこの日について考える場を持つことの方が有益である。」という意見もあるようです。
こういった議論をすることで、またリメンバランスデーについて考えるいい機会になるのかもしれませんね。
■赤いポピーのバッジ
カナダに住んでいる人なら、11月の風物詩と言っても過言ではないのが赤いポピーのバッジ!
本当に多くの人が付けて歩いています。(統計ではカナダ人の2人に1人がつけているとか。)
この赤いポピーがリメンバランスデーのシンボルとなった由来は、カナダの詩人ジョン・マクレー氏にあります。
マクレー氏は第一次世界大戦時に軍医としてカナダ軍に従事していました。
彼はヨーロッパの激戦地となったフランダース地で親友を亡くし、その親友を含む多くの軍人が埋葬された地一面が赤いポピーで埋め尽くされた様子を目にしました。
その光景を詠った『フランダースの野に』という詩から、ポピーは戦死者を悼む象徴とされるようになりました。
現在では10月の最終金曜日~11月11日までの間にこの赤いポピーを左胸に着ける、The Poppy Campaignが毎年行われています。
この赤いポピーのバッジは駅や街角で退役軍人やその家族などのボランティアによって配布されている姿をよく見ます。
その他にも多くの商業施設で貰うことも出来ます。通常は$2~の募金をして受け取ります。
この募金は地域ごとに、カナダ全域で約65万人とも言われる退役軍人やその家族への援助として役立てられます。
・Bulk Barn
・Costco Wholesales Canada Ltd.
・Hudson’s Bay
・Loblaws
・Shoppers Drug Mart
・Tim Hortons
・Starbucks
・Walmart Canada
その他全ての協賛店についてはこちらのページをご確認下さい。
赤いポピーバッジの他にも赤いポピーグッズをこちらのホームページより購入して貢献することが可能です!
※2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、地域によっては駅や街角での赤いポピーの配布は行われていません。
今年から現金だけではなく、デビットカードやクレジットカード、スマートフォンからでも募金の支払いが出来る、専用ボックスも開発されました!
Photo:Legion.ca
まだカナダで250個しかないようなので、見かけることが出来るとちょっと得した気分になれますね。
■National Remembrance Day Ceremony(国のリメンバランスデー式典)
1940年から毎年11月11日はオタワにあるThe National War Memorial(国立戦争記念碑)にて、午前10時45分頃から式典が行われます。
Photo:CBC NEWS
今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、多くのイベントが中止となりました。
しかしこういった世の中だからこそ、世界平和やお互いを大切に思う気持ちを忘れてはいけないという思いから、一部例年とプログラムを変更しつつこの式典は開催されます。
とは言え、屋外で行われる式典ではありますが出来るだけ現地に赴くのではなく、テレビやオンラインでの中継での参加を呼び掛けています。
また残念なことに現役、退役軍人によるパレードやリースの贈呈式は今年は中止となりました。
Photo:Legion.ca
※リースは贈呈式はないものの、式典開始時から飾られる予定です。
その他詳しい情報はこちらのページからご確認下さい。
オンラインでの中継はThe Royal Canadian Legion’sのFacebookページにて視聴できます。
●2分間の黙祷
毎年11月11日午前11時(東部標準時)に式典並びにカナダ国内で一斉に2分間の黙祷を行います。
この時間は多くの学校や会社、政府機関そしてトロントに住む人の足、TTC(トロント交通局)が運航する地下鉄、バス、路面電車なども止まります。
全ての公共交通機関はその時間に合わせて、駅やバス停等に止まり2分間の黙祷時間が終わり次第再開されます。
■語学だけでなく、文化も学ぶことが留学の成功
歴史を辿れば敵同士だった私達日本人も、今はカナダへ留学に来られるようになりました。
こんな暮らしがあるのも悲劇の中で奮闘してくれた方々のお陰ですね。
多くの方の留学の目的は語学やスキル等の向上です。
しかし語学やビジネス等を学ぶ上でも、その国の歴史や文化を学ばなければ本当の意味での習得になりません。
しっかりとリメンバランスデーについて学び、是非今年は赤いポピーをあなたも付けてみませんか?
カナダ留学・生活情報についてはお気軽に、アクティベイト留学センターまでお問い合わせ下さい。
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